調子のってpartⅢ.
曹操と新武将の話。
曹操×皇劉 (現代パラレル)
雪が降り散る。クリスマス。社長秘書の皇劉は忙しく、仕事を処理していた。年末は忙しく、休む暇はない。
それでも、外で楽しそうに歩くカップルをさみしく感じてしまう。
(・・・・あんなデートなんてした覚えないなぁ・・・。)
昔から仕事一筋で、遊ぶことをあまりしなかったものだから、さらにさみしく感じてしまう。
(社長と・・・ううん、そんなこと考えちゃだめ。)
一度でいいからデートに行きたい。ロマンチックなデートをしてみたい。
社長とは駆け落ちの末に結ばれたけど、クリスマスに遊びに行くみたいなデートしたことなくて。
少しでいいからと思う自分を叱咤しつつ仕事に戻るが、視線はまた外へ。
(♪~)
携帯の着信が鳴る。皇劉はすぐに電話に出た。
「もしもし。」
「皇劉か。わしだ。」
「社長、どうなされましたか?」
「すぐに○○ホテルの最上階にあるレストランへ来てくれ!大事な会合でお前の力が必要だ。」
「了解しました。」
残っている仕事はあるけど、社長が呼んでいる。久々に会う社長。皇劉は急いで向かった。
指定の場所に着くと、そこには社長が座っていた。
「やはり、お前はスーツのままで来たか。」
「?」
社長であり彼女の夫の曹操は苦笑いをして言った。皇劉は、曹操の言ったことが理解できなかった。
「まあ、いい。荀彧、彼女に例のものを。」
「はい。皇劉さん、あちらへどうぞ。」
そう言われるまま別室に連れて行かれ、ホテルの従業員が皇劉の服を着替えさせ、あっという間にメイクアップされた。
「あの・・・社長・・・?」
「ここでは、名前で呼んでくれ、皇劉。」
「・・・・孟徳、どういうこと?」
「どういうこととは冷たいな。せっかくのクリスマスデートなのにな。」
「えっ・・・?」
(今、何て・・・?)
「俺からのクリスマスプレゼントだ。」
「あ・・・。」
うれしすぎて声が出ない。
「まともにデート行ってなかったし、それに仕事を頑張っているお前にご褒美だ。」
「うれしい・・・。」
クリスマスの夜に愛する人と素敵な夕食。なんてロマンチックな話だろう。
「あっ・・・でも・・・。」
皇劉がうつむいたので、曹操は不審な顔をした。
「どうした?」
「・・・私、孟徳に何も用意していない・・・。」
「そんなことか・・・。」
「そんなことって・・・!」
「俺へのクリスマスプレゼントは・・・・。」
(お前がほしい・・・)
曹操にそう囁かれ、皇劉は顔を真っ赤にした。
「メリークリスマス、皇劉。」
「・・・メリークリスマス、孟徳。」
グラスで乾杯して、デート開始。
クリスマスの夜の幸せなプレゼント。
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